細部まで計算された似合わせカットで作る絶妙な抜け感を演出するロブスタイル
美容室でよく聞く言葉で、似合わせカットという言葉があります。
一般的には、そのお客様に似合ったスタイルのカットという意味で使われています。
ですが、WIT.では、似合わせカットという言葉はあまり使っていません。
そもそもカットとは、見た目だけではなく、お客様の性格や好み、ライフスタイルやその時の気分などの内面とも、マッチさせたものだと考えているからです。
もちろん、その時の服装やメイクなど外面的なものとのリンクも大切です。
それら全てを含めて、初めてそのお客様の為のカットになるという理念で施術をしています。
洋服で例えるならば、カットという技術はオートクチュール(オーダーメイドの1点物)で無ければならないと思います。
髪質や骨格はもちろん、その方の持ったパーソナリティを最大限に引き出す為に、カウンセリングはもちろん、カット中の会話や仕草、雑誌のどのページを読むかなど、常にお客様の言動を注意深く観察して、お客様の事を深く理解することが重要です。
それにより、その方にとって最適なヘアスタイルのアイデアが閃くからです。
今回のヘアスタイルの場合は、この方が持つ柔らかな雰囲気と、芯の強さをより表現できるように、ストレートな髪質を生かして「直線的な髪の毛で曲線を作る」ことをポイントにカットを施しました。
ベースカットをフラットなボブラインに、低めなグラデーションで柔らかさを引き立て、ポイントでスライドカットを入れて流れを作り、スタイリングで奥行きと立体感を演出しました。
WIT.では、お客様にお任せいただき、新しい髪型で街にお見送りする事は、一つ一つが作品であるという思想で仕事させて頂いています。
そこで喜んで頂くこと、その方が気づかなかった魅力を引き出すことが最大の喜びであり、使命だと考えるからです。
また、美容師はヘアや美容だけでなく、様々な良い物に触れ、学ぶ必要があると考えています。
インスピレーションとは、自分が経験したこと全てがベースになって湧いてくるものだからです。
前回よりも少しでも良く仕上げる為に、色々なものに触れ学び、またそれを還元して喜んでいただけるように努力する。
様々な経験を経て引き出しを増やす事が、お店として、また1人の美容師としてのアイデンティティの形成に繋がっていくと考えながら、日々のサロンワークに取り組んでいます。