鉄格子とアンティークガラス
緑が少ない東京の街ですが、WIT.の周辺は西郷山公園や目黒川の桜並木など、自然に恵まれています。
最近は、木々や植物の色味と共に、夏から秋への季節の移り変わりを感じます。
紅葉してきている木々を見ると、昨年の秋にニューヨークのセントラルパークで見た紅葉を思い出します。
私、飯島はニューヨークの街の雰囲気がとても好きです。
この旅行の際も、ホテルやギャラリー・美術館を中心に街を巡り、多くの刺激をもらいました。
それらの建物や街並み、内装はシンプルでありながら洗練されていて、一貫したコンセプトがありました。
その上で、機能的でもあるデザインには大変感銘を受け、WIT.の内装を考える上での参考にしました。
今回はその中でも特にこだわってデザインした、アンティークガラスと鉄格子の壁を紹介させていただきます。
日本ではあまり一般的ではありませんが、鉄格子を使った窓や壁はニューヨークでの旅行中によく見かけました。
防犯上の理由で鉄格子が多いのではないかと思います。
それらがデザインとして昇華されているのは流石だと感じました。
また、無骨なものや繊細なイメージを感じられるもの、鉄枠の太さや格子の大きさ、壁との組み合わせによって全く異なる印象を受け、興味深く感じました。
その中でも、あるホテルで見た壁がとても印象的でした。
そのホテルの鉄格子は、鉄枠の部分はシンプルなのですが、異なったアンティークの曇りガラスを不規則に使い、独特の世界観を演出していました。
WIT.の内装は基本的にはシンプルですが、アクセントとなる部分も作りたいとはずっと考えていました。
そんな時に、この鉄格子の壁の事を思い出し、採用することにしました。
もちろん既製品で同じようなものはなかったので、オーダーメイドで作ることになりました。
手書きの絵やイメージパースでデザインをしたのですが、なかなかサロンのイメージに合うものができず、何度も試行錯誤しながらデザインをやり直しました。
その結果として仕上がった鉄格子は、想像以上のものとなり、WIT.の世界観を構成する重要なファクターとなっています。
私達はWIT.をただ髪を切る場所だとは考えていません。
もちろん、「創ったヘアスタイル」という成果を喜んでいただけるように、精一杯努力をさせていただきますが、それと合わせて「空間」も楽しんでいただきたいと思っています。
そのために、1つ1つのアイテムにこだわり抜いてお店を作っています。
合わせて楽しんでいただけると嬉しいです。